返済のための借金はNG
借金を返済するためには、返済に充てるためのお金を支払いの期限までに確保していなければなりません。
これには通常、給与(給料)が充てられることがほとんどです。
しかし、全ての債務者が必ず月々の給与を受け取れるわけではなく、中には借金をして返済を行っている人もいます。
ですが、この方法での返済には多くの問題点があります。
元本が減らない
借金をして借金を返すことを借り換えと呼びます。
借り換えには様々な問題点がありますが、まず第一は元本が減らないということです。
借り換えを行う場合には、既に借入れを行っている業者とは別の業者から新規に借り入れを行うことになります。
そしてそうなると当然、新規に借り入れした業者にも新しく返済すべき元本が生まれてしまうことになります。
例えば、A社に月々2万円返さなければならない人が、B社から借りた2万円で返済を行ったとします。
すると、A社の方の元本はその分減ることになりますが、その一方でB社の方に新しく同額の元本が生まれてしまうことになります。
つまり借り換えを行うと、借金全体で見た場合には元本が減らないということになってしまうのです。
また、返済の額よりも新規の借り入れの額が大きくなる場合には、元本が減るどころか増えるということにもなりかねません。
利息が利息を生む
元本が減らないだけでも債務者にとっては大変な問題ですが、借り換えには金利が膨らんでしまうという問題もあります。
借り換えを繰り返していくと元本が減らないばかりでなく、徐々に借金の額が増えていってしまいます。
こうした状態は俗に「回し」と呼ばれ、いわゆる自転車操業と全く同じ状態になってしまいます。
そしてこうした状態に陥ると、借金の元本が増えるだけでなく、利息が利息を生むという事態になってしまいます。
例えば、A社から50万円を10%の利息で借り入れている場合、通常の返済であれば月に1回元本と利息を支払うだけで事足ります。
しかし、これが借り換えによって返済をしている場合ですと、A社の返済のためにB社から借金をして支払いを行うという形になるため、一方で利息が減り一方では新しく利息が生まれるという状態になってしまいます。
これが、利息が利息を生むという状況です。
一度こうした状況に陥ってしまえば、何らかのまとまった収入が無い限りは、利息を返すために利息を背負うという状態が半永久的に続いていくことになります。
さらに、利息の関連でもう一つ大きな問題があります。
それは、借り換えをするたびに新規の借り入れの利息が上がるということです。
当然ながら借り換えを行うと債務者の信用情報に傷が付くため、新規の借り入れの際には業者側のリスクを小さくするために利息が高く設定されるのです。
新規の借入れが難しくなる
借り換えというのは、その初期の段階では目先の借金を返すという目的に限って言えば、十分に役割を果たすことのできる方法です。
しかし、それが何度も繰り返されると債務者の社会的信用は徐々に低下していってしまいます。
そしてそうなると、新規の借り入れを申し込んでも審査に通りにくくなってしまいます。