円高・円安とは?
経済ニュースを見ていると「円高」や「円安」という言葉をよく聞きます。
こうした円の価値は外国通貨と比較した日本円の価値を意味します。
ニュースや経済指標で最もよく使われるのはアメリカのUSドルとの比較で、「円安ドル高」や「円高ドル安」です。
円の価値が変動する歴史
円が導入された1871年の時点ではアメリカドルと比較して1ドル=1円でした。
太平洋戦争終了後には1ドル50円になり、その後食料問題などのインフレが止まらず、1948年に1ドル270円、1949年にはWHOによってインフレを抑制するために1ドル360円で固定されました。
その後22年は円の価値は対USドルで固定され、円安や円高による変動がなくなりました。
1ドル360円は超円安で日本の輸出産業は非常に有利な条件でした。
しかし1971年のベトナム戦争でアメリカが金本位制を維持できなくなり、全ての通貨が変動制に戻りました。
その後、日本の高度成長が続き円高ムードが高まり、1995年には1ドル80円、1997年にはアジア通貨危機で1ドル140円、2011年にはリーマンショックなどから続いていた円高傾向にギリシャ危機や東日本大震災が追い風になって1ドル76円の戦後最高値を付けました。
その後はアベノミクスの金融政策の拡大などで2014年には1ドル120円と現在も激しく円高・円安を繰り返し為替相場は連動しています。
円高・円安が起こる理由
円高・円安は円の需要によって決まります。
円が高くなる理由
円が買われる
外国通貨が売られる
円や安くなる理由
円が売られる
外国通貨が買われる
このように、円高と円安の影響は円の需要だけではなく外国通貨の影響も大きく受けます。
主にドルやユーロなどの流通量が多い通貨に連動して、その他の国の通貨と為替相場が変化しています。
円高になるメリット、デメリット
円高になると、外国の通貨が安く買えます。
外国からの輸入製品が安く手に入りますし、海外旅行に行く時に有利なメリットがあります。
個人から見れば円高になった方が直接受けられる影響が大きいです。
ただし、円高になると輸出産業が不利になって国全体の景気が落ち込む傾向があります。
円安のメリット、デメリット
全体的に円安になった方がメリットが大きいと言われてます。
個人は海外製品の個人輸入や海外旅行では不利になりますが、日本は輸出産業が強いモノ作りの国なので円安になると国全体の景気が上向き国民が全体的に潤うとされてます。
ただし、過度な円安は長年円高が続いた副作用が多く、1ドル110円前後が日本のメリットが大きいと唱える専門家が多いです。